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楽曲解説

マイノリティ・リポート #09

ミッドナイト・イン・トーキョー 楽曲解説

『ミッドナイト・イン・トーキョー』

タイトルを見てお分かりになる人も多いかもしれないが、この曲は2011年に製作された恋愛ファンタジー映画、「ミッドナイト・イン・パリ」がモチーフになっている。映画の展開を多々アレンジして盛り込んでいるので、映画の方も視聴してもらえると、この曲をより一層楽しむ事ができると思う。

さて、当曲の「ミッドナイト・イン・トーキョー」だが、この曲の主人公はもうすぐ寿命の終わりを迎える病院暮らしのおじいちゃんで、妻は既に他界。周りの友達も先に亡くなっているので、一人ぼっちの毎日を送っている。そんな彼の唯一の楽しみは、夜眠りにつく度に夢の中で逢える昔好きだった女の子と楽しい一時を過ごす事。寿命の少ない彼にとって、眠るという事は次の日に無事目覚められるかわからないという恐怖がつきまとうはずだが、彼は現実世界に全く楽しみがないので、このまま永眠して夢の中で楽しく過ごしていたいと思っている。そしてついに永眠!という所で天国の妻が「浮気しやがってこの野郎!」と鬼の形相で待ち構える。ヤバイと思ったおじいちゃんは、最後に初めて「生きたい、目覚めてくれ~ワシ!」と願う恋愛ファンタジーソングである。

もしかしたらこの爽やかでポップな曲調に、「なんかmanmanと違う」と思う人がいるかもしれない。僕自身ちょっと伝わり辛いかなと思っていたが、この曲に関しては「普通にいい曲じゃん」と思われる事こそ狙い通りの展開で、見事罠にハマってくれたと手を叩きたくなるのである。そもそもこの曲で表現したかった事は「浮気」や「不倫」という所なのだ。この問題に関しては、ゲスの極み乙女の川谷絵音氏とベッキー氏から始まり、昨今の芸能ニュースを賑わしている。僕からしたら誰が誰と何をしようがどうでもいい話だが、そもそも浮気や不倫というのはなぜ起こるのだろうか。それはやはり、人間は所詮動物で、生物としての本能がそうさせるという事なのだろう。「X」や「空蝉丸」の歌詞解説でも述べたが、より良い異性に惹かれ、種族の繁栄のために交配し、命を繋げていくという事は生きていく上で自然な流れなのだと思う。じゃあなんでそれがダメかというと、人間が浮気や不倫はダメだというルールを作ったから、というだけの事である。個人的な意見としては、皆本質を捉えずに、ただルールが存在しているからというだけで「悪い行為」と騒いでいる様に感じる。もちろん僕もルールは必要だと思うから、今の状態を否定はしないけど、もし浮気や不倫は自由というルールが世の中の常識として存在していた時に、同じ様に「ダメだ」とちゃんと意見を述べられるのかという所は甚だ疑問だ。誰と何しようが自由な世の中だったら、もしかしたら「衝撃!誰々と誰々、一回も浮気せずに天寿を全う!」なんてニュースが流れて、「ありえな~い!キモ~い!」なんて意見が出るかもしれない。

また、浮気や不倫というのはとにかくマイナスイメージがすごい。まぁダメだというルールがある時点で不幸になる確率が高いのは確かだが、あまりにも悪いイメージの話が多い様に思うし、僕はもうちょっと幸せになった話があってもいいと思う。実際に結果としては良かった、なんて人も世の中にはいるんじゃないだろうか。

そういった考えもあって、この曲はとにかく明るい表現で貫こうと思ったのである。「素敵な恋愛」として描く事で、普段浮気や不倫を拒絶している人に「いい曲だな~」と思わせ、少しでも浮気や不倫を肯定させてあげたかった。ただ何の考えも無しに「ダメだ」と言うんじゃなくて、なんで「ダメ」なのかを考えるきっかけを作ってあげたかったのだ。浮気や不倫否定派で、「いい曲だ!」と見事罠にハマってくれた人がいたら、なんで自分がそう思ってしまったのか考えてみてほしい。きっと答えは「好きだから!」とかそんなんだと思う。(笑)

またこの曲はアルバム2曲目の「SHISHUNKILLING」の主人公の少年が成長した姿という裏設定があって、このアルバムを通して様々な価値観を体験したあなたの様に、様々な経験を経て成長し、少し丸くなった彼の姿も楽しんでもらえたらと思う。

おじいちゃんが生きてる方が幸せなのか、死んだ方が幸せなのかはわからない。理由はどうあれ、辛くとも最後に「生きたい」と願ったおじいちゃんが僕は大好きだ。世の中に否定されようとも、彼に生き甲斐となる様な素敵な恋愛が待っていますように。